インフルエンザに備える
 10月後半から4月は、インフルエンザが流行する季節です。ご家族の皆様が健康に過ごすためにも、家族の健康管理のキーパーソンである主婦は、この病気についての知識をしっかりお持ちになることをおすすめします。

【病原と症状について】
 かぜの症状と似ていて、区別がつきにくいといわれます。インフルエンザもふつうのかぜもウィルスで起こります。インフルエンザのウィルスは、A香港型、Aソ連型、B型の3種類で、A型はもっぱら冬に、B型は春先に流行する傾向があります。ふつうのかぜはライノウィルスが病原です。
 ふつうのかぜは鼻みずや鼻づまりの症状が強く現れます。インフルエンザでは突然高い熱が出て始まるのが特徴です。最初の1〜2日で38〜39度にも達し、頭痛、腰痛、筋肉痛、関節痛、全身の倦怠感などを伴います。少し遅れてのどの痛みや鼻みず、咳などの症状がでます。
  お年寄りは抵抗力が弱くなっているので、インフルエンザから肺炎を合併して命にかかわる重症例になることもあります。65歳以上は要注意。肺炎を合併しても高熱が出ずに、ぐったりして、食欲がなくなり、さらに脱水状態に陥りやすいのです。肺炎を合併して亡くなる人の約90%がお年寄りです。
 乳幼児ではそれほど多くはないのですが、脳炎、脳症を併発して亡くなる場合も少なくありません。発病してまもなく、ぐったりして意識障害や痙攣を起こしてきたら、脳炎・脳症合併の可能性が考えられます。出来るだけ早く病院を受診して下さい。早期治療が必要です。
 また、子どもさんでは下痢や腹痛など、消化器症状がでることもあります。ただウィルス性の急性胃腸炎という病気もあって症状が似ていて、インフルエンザの流行時期にも見られますので、「お腹にくるかぜ」と言われており、これはインフルエンザとは違う病気です。

【治療と予防について】
 ワクチンは病原のウィルスに対する抗体(免疫)をつくるので予防効果があります。免疫の少ない、あるいは抵抗力のないお子さんやお年寄りは、インフルエンザの流行期に先立って11月までに病院でワクチンの接種を受けられるようおすすめします。ただし、卵や鶏肉に対してアレルギーがあるとインフルエンザワクチンは接種できません。
 もし、高熱が出て、インフルエンザかな?と思ったら、すぐ病院に行くことが重要です。症状が出て48時間以内ですと、ウィルスの簡便な検査法を用いて、15分ぐらいで結果がでます。すぐにインフルエンザと診断されたら、抗ウィルス薬による治療がはじめられます。

【普段の予防について】
 インフルエンザウィルスは患者さんの咳やくしゃみで飛び散り、周囲の人がそれを吸い込んで感染します。温度が低くて空気が乾燥しているほうがウィルスにとっては好都合で、感染して拡がりやすいのです。ですから冬に流行するのです。
 予防には雑踏の多い場所への外出をできるだけ控えて、外出時のマスク、帰宅時のうがいを心がけることです。これはのどの粘膜を保護して清潔に保ち局所の抵抗力を落とさない効果があります。また身体を冷やさないこと。手足や腰などが冷えますとその部位の血管だけでなく、のどの粘膜の血管も反射的に収縮して血管の流れが悪くなりウィルスの感染が起こりやすくなります。そこでお子さんの場合、普段からの乾布摩擦や冷水摩擦を実行することはいいことだと思います。睡眠不足や過労も抵抗力を低下させますので注意してください。

【まとめ】
 一昔前までは、インフルエンザは体力で打ち勝つしかないと考えていた方が多いと思いますが、現在は有効な予防法や治療法が確立されていますので、それにのっとって対処すれば決して恐れる必要はありません。
 日頃からの体の鍛錬と健康的な生活スタイル、そしてワクチンの接種、さらにうたがわしい症状が現れたら、48時間以内に医療機関を訪ねることが基本です。